ちょっと専門的なコラム
こんにちは。今回は前回のコラムの流れで、次亜塩素酸水のおける2つの製法についてご紹介させていただきます。
経済産業省が所管する独立行政法人である製品評価技術基盤機構(通称;NITE)は、2020年6月に「新型コロナウイルスに対する代替消毒方法の有効性評価(最終報告)」(※)において、次亜塩素酸水について図のように定義しています。
NITEの定義を簡単にお伝えすると、「次亜塩素酸水」とは、「次亜塩素酸を主成分とする溶液」のことです。飲食店や公共施設の入り口で、「次亜塩素酸水」と書かれたボトルを見かけることがよくあると思いますし、市販されている「次亜塩素酸水」もあります。これらは、図のいずれかの方法で作られた溶液です。

※ジクロメイトは赤線で囲んだ「粉末型」に該当する錠剤となります。
ちなみに、「電解型」は、「酸性電解水」とも呼ばれています。塩化ナトリウムや塩酸を電気分解することによって得られる水溶液で、この製法で作られた次亜塩素酸水は、pHや次亜塩素酸の濃度によって「強酸性次亜塩素酸水」「弱酸性次亜塩素酸水」「微酸性次亜塩素酸水」という名称で、食品添加物(殺菌料)に指定されています。食品添加物として使用する場合、厚生労働省によって成分規格や使用基準が定められています。ただし、この食品添加物としての認可は、電解装置とセットで認可されるものです。次亜塩素酸水の生成装置は、一部の食品工場や飲食店の厨房などで、畜肉や魚を洗ったり、包丁やまな板を洗ったりする際に使用していることもあります。
「混和型」とは、次亜塩素酸ナトリウムを原料として、酸を混和したりすることでpHを調整したもの、その他の型とは、次亜塩素酸と炭酸ナトリウムなどを生成し、その2種類の間でイオン交換を行ったものなどです。非電解型は、食品添加物(殺菌料)の指定を受けていませんが、環境の除菌、物品の除菌に使う分には何の問題もないと考えられています。
※製品評価技術基盤機構(NITE)「新型コロナウイルスに対する代替消毒方法の有効性評価(最終報告)」
今回はちょっと専門的な内容でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございました!
寄稿
月刊フードケミカル 副編集長 立石亘
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