こんにちは。医療の分野に“high frequency contact surface”という専門用語があります。ハイ・フリークエンシー・コンタクト・ポイントと読み、日本語では「高頻度接触表面」と言われます。
今回は、この専門用語を使って、「トイレやお部屋を掃除する時は、人が触る所をイメージしましょう」「四角い所をまぁるく拭いちゃダメですよ」というお話をさせていただきます。最初から小難しい横文字を使ってしまいましたが、ご心配なく。とても簡単な感染症予防のポイントをご説明いたします。
新型コロナ対策として、エタノールや次亜塩素酸水などで、イロイロな所を除菌していると思います。飲食店の店員さんが机や椅子を除菌している姿も見かけますが、もしかして机の真ん中だけ、おしりがつく座面だけを拭いていないでしょうか? 四角い所をまぁるく拭いているうちは、せっかくの除菌剤も効果半減です。
なぜなら「いろんなヒトがよく触る所」「みんながベタベタ触る所」を見落としているからです。
では、「よく触る所」とは、どこでしょう?
食卓だったら机のヘリの部分や調味料のビンとか触っていませんか? 椅子だったら、椅子を引く時に背もたれの部分とか、持ち上げるときに座面の裏とかも触っていませんか? 台所だったら、冷蔵庫や引き出しの取っ手、コンロのツマミなども触っているでしょう。
トイレだったら、ドアのノブやカギ、水洗のレバー、トイレットペーパーのホルダー、ウォシュレットの操作盤なども触りますし、便座を持ち上げる時には便座のヘリも触るはずです。
家の外であれば、エスカレーターの手すり、電車のつり革、エレベーターや自動販売機などのボタン、飲食店のメニュー表なんかも、不特定多数のヒトが頻繁に触っていそうです。学校や職場にも共用の道具や機器は沢山ありますね。
そんな所も忘れずにキレイにしておくことが、感染対策の基本の一つとなるのです。新型コロナ対策では、それに加えて「飛沫が飛びそうな所」の除菌も大切ですね。
そういう所を、ときどき除菌剤で拭き上げると効果的です。慣れも出てきてしまった感染症対策を改めて見直してみて下さい。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
ATP・迅速検査研究会 理事
(元月刊HACCP副編集長・元月刊フードケミカル副編集長)
立石 亘
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